イースト・ヴュー社とは
イースト・ヴュー社(east view company)は米国のミネアポリスに本社を置く世界最大の地図供給会社です。1989年に設立され、地図部門のeast view geospatialと統計情報やデジタルアーカイブなどを扱うeast view information serviceを核に10社ほどの専門会社で構成されています。
East view社の支社は全世界に置かれています。アメリカ、アフリカ、ロシア、ヨーロッパ、中国、インド、南アメリカ等の支社を拠点に地図情報、統計情報などを専門の調査員が定期的に情報収集を行っています。これらの活動が製品に反映されて品質を高めています。
アメリカ国内では政府系の空間情報の多くを受託して納めています。中でも米軍の地形図がその精度が悪く、現在はeast view社の手で改めた地図データとしてアップデートされています。日本でも防衛省の海外データはその大半がイースト・ヴュー社からのものです。イラク、サマワの自衛隊駐留地の地形図は出国直前の情報を衛星情報などでアップデートされた最新のものをイースト・ヴュー社から供給されたものを持っていっています。後に自衛隊員から「実に正確な地形図だった」と感謝されましたが、これはイースト・ヴュー社の中に測量とGISの博士号学位を持つアナリストがいたことにより極めて短期間(1:50,000スケールの地形図14シートを僅かに12日間で最新アップデート)で供給できたものです。イースト・ヴュー社はアメリカ、日本のほかにも世界各国の政府機関に地図製品の販売、空間情報の構築を行っています。
製品群には主に2種類があります。ひとつは世界各地の紙地図を収集しラスター化して販売しているもの、ひとつはNGAフォーマットを基本にベクター化して新規に作成したり、アップデートを行って販売しているものです。現地製の地図製品では、イースト・ヴュー社だけが独占的に取り扱っているものも多数あります(ベトナムの地形図類/ベクター、ラスターとも、EVG独自製作のミャンマー全土のベクターデータなど)。
イースト・ヴュー社のGIS部門のスタッフはアメリカ各地の大学のGIS部門、ロシアのモスクワ大学を核とする専門家が揃っています。現在は過去に発行された地形図類を元に「ヒストリカルGIS」の構築にも力を入れている総合的な情報提供会社です。
パシフィックヴィジョンとの関係
パシフィックヴィジョン株式会社はイースト・ヴュー・ジオスペーシャル社(EVG)とイースト・ヴュー・インフォメーション・サービス(EVIS)の両方の総代理店です。EVG製品に関しては防衛関連を除く大学、研究所、企業等のすべての総代理店で、EVISに関してはすべての省庁、大学等の総代理店です。
パシフィックヴィジョンとイースト・ヴュー社はNHKスペシャルの広島特集番組での原爆投下前、投下後、復興期の3時期の3D映像の基盤作りなどを合同で行ったり、自衛隊のイラク、サマワ向けの最新地形図の作成提供などを行い、互いに信頼関係を築いて全般的な取引関係に至りました。
現在は大学、研究所における各分野での空間情報解析用のGISデータの提供から、世界の軍事情報のデジタルアーカイブスやオンライン・アニュアルまで幅広く製品を取り扱っています。イースト・ヴュー製品は今日でも情報希薄エリアと呼ばれる第三世界の情報が特に充実しています。そういう意味で多様な情報を得て、内外の政策や安全対策などを講じるための重要な情報製品を提供しているかと思います。